リージョナルデザイン コミッティ 担当理事 玉田俊郎、内田芳嗣

なぜ、今、リージョナルデザインなのか?このリージョンという言葉は単に言葉のみの地域という意味合いではありません。例えば、フランスでは日本で言えば県が4つぐらい集まった地域文化圏、地域経済圏を示す言葉です。大都市パリも1つのリージョンに含まれます。中央集権型の日本の感覚では大都市と地域社会は明確に分けられ、大都市は消費地、地域社会は生産地と称されます。この捉え方はとても短絡的と言えるでしょう。産業区分や経済規模での区分からでは地域の持つ価値やシーズを見つけることは難しいと認識しています。今日、日本は経済大国や産業国家と称されていますが、これの至ったのは前時代の地域における文化や技術の蓄積があったからと言えるでしょう。地域は日本を体に例えれば手足であり目と言えるでしょう。そしてその手足、目を使って、価値やシーズ、文化を発展させ日本の社会・文化・経済を牽引する役割を担って来ました。しかし、伝統的な地域社会は存亡の危機に立ち、文化や技術の継承が困難になってきています。リージョンという視点から地域を捉え、デザインを展開することで、地域文化や地域資源、地域的な価値を促進ていくことがリージョナルデザインの役割と考えます。

2021年10月27日「TOHOKU FUKKO MEDAL PROJECT 2020-21」はフランス大使館でPhilippe SETTON 駐日フランス大使へ贈呈式を行いました。


2021年7月10日15:00~17:00 講演テーマ:「アートプロジェクト」&「エリアスタディ」フィールドワークを通じた地域資源の発見と創造」中里和人氏 ゲストスピーカー:東京造形大学 写真専攻領域教授

日本各地で2000年から実践している「アートプロジェクト」、東京造形大学写真専攻で2011年度から取り組んできた授業「エリアスタディ」。どちらもフィールドワークを主体に、オルタナティブな場所性をフロンティアと捉え、地域社会の中で写真展、インスタレーション、ワークショップなどを展開し、地域社会の中でのデザインとアートの創造性や社会性を研究、発表してきました。その足跡をたどり、デザインとアートの様々な活動報告をいたします。

・15:00〜16:00(プレゼンテーション)
・15:00〜15:10(休憩)
・16:10〜17:00(参加各位との意見交換ほか)

アートプロジェクト」&「エリアスタディ」フィールドワークを通じた地域資源の発見と創造
 

2020年11月14日15:00~17:00リージョナルデザイン(代表理事 玉田俊郎)

フランス・ブルゴーニュのぶどう栽培とワインの生産を通して地域(リージョン)文化の形成とその重要性について考えていきます。

・フランスの成り立ち(フランス地域文化の隆盛と国の発展)
・真のブランドとは?ブルゴーニュ・ワインのクリマ(ぶどう栽培区画)とアペラシオン(格付)の特徴
・ブロゴーニュワインを特徴づけるテロワールの意味とは
・日本の地域と文化(北前船と地域間交流)
・これからのリージョナルデザイン
 

フランス、ブルゴーニュのクリマ(ぶどう栽培地域)を歩く

ブルゴーニュワイン、ブランドの秘密(解説編)

カフェ談話室-リージョナル・デザインを受けて-
 

 

リージョナル・デザイン

本書はフランス、ブルゴーニュ、クリマを舞台にデザインワークショップを行ったことが起点となっています。「クリマ」(Climats)とはフランス語で、気候、風土という意味ですが、この言葉のついた場所だったのです。詳しく言えばクリマ共同組合が管理するワイン用葡萄畑のエリアをクリマと称しています。クリマは幾世紀もの歳月を重ねて真の意味でデザインされてきたものであることを知りました。ブランディングの根幹を創ってきたことに気づきました。

 

 
 
ブルゴーニュのクリマ(葡萄畑:左、中央)セント・コロンブ村(右)