一般社団法人 日本デザインマネジメント協会

since 2012 Japan Design Management Association

日本経済新聞社

ソーシャルデザイン特集-COVID-19
新型コロナウィルとソーシャルデザイン-オピニオン
新型コロナウイルスに思う

世界的な大流行(パンデミック)が進行中の新型コロナウイルス。
いつ衰えるかも分からない先の見えない今日この頃です。
盛んに「団結」「協調」という言葉が、世界中に溢れています。
歴史を振りかえると・・・今回のような疫病パンデミックの後には、世界的なパラダイムシフト(価値観の転換)が起こった、 と言われています。

それに照らせば・・・現在の新型コロナウイルスの大流行は、収束後に、第二次世界大戦後以来の大きな価値観の変化を 世界中にもたらすのではないでしょうか!
つまり、このような世界的な人類の試練は、人間の欲が頂点に達したときに、人間が正しい生き方をするようにとの自然の摂理なのではないでしょうか? と私は思います。

例えば、これまで各国が多額の軍事費を投入して競い合っていた軍拡競争。
皮肉なことに・・・この極小なウイルスの前には、戦闘機も戦車も空母もまったく手が出ないのです。
また、物欲による過剰消費は、膨大なゴミを生み出し、地球を汚してきました。
さらに乱獲と濫掘によって、地球は悲鳴を上げています。

私たち人類は、これから次のような新しい生き方(価値観)を求められているのではないでしょうか!
以下はその例です。
  ・軍拡競争から平和主義へ
  ・国際対立から国際協調へ
  ・大国主義から国家バランスへ
  ・経済優先から生活や文化の重視へ
  ・バブルからSDGsへ
  ・自利社会から利他社会へ
  ・贅沢から廉潔へ
  ・格差拡大から格差縮小へ
  ・豊かさの追求から豊かさの深化へ
  ・人々の関心は面白いから興味深いへ
  ・人工から自然へ
  ・都市からローカルへ
  ・スピードからスローへ
この様になるかどうかは分かりませんが・・・
いま生かされている私たちは、争いを止め、国や人が協力し合い、地球を大切することを優先した新しい世界を創造していく使命がある、ということだと思います。そのときに・・・デザインに何ができるか!を私たち一人ひとりが自問するときではないでしょうか。

星野隆三(JDMA理事)

ソーシャルデザイン研究、協議推進のための主題(案)



◎ ソーシャルデザインの定義
社会的問題の解決と同時に新たな価値を創出する画期的な仕組みを作ること
「ソーシャルデザイン」 (グリーンズ/朝日新聞社 2012)より
デザイン資源の戦略的活用を上記にどのように機能させるかを考えることが
 不可欠であると考えることが肝要である。

◎ ソーシャルデザイン研究の進め方について
 ソーシャルデザインそのものの研究は、題材として間口が広く、奥行きが
 深すぎるきらいがあり、入り口の研究をするに当たっては、その範囲を慎重に決める必要がある。その方法として、今回はトライアルの意味もあり、2015年国連総会サミットで採決されたSDGsの17目標から選択するのが現実的であると考えた。

◎17目標とは下記の通りである。
  1.貧困をなくす
  2.飢餓をゼロにする
  3.すべての人に健康と福祉を
  4.質の高い教育をみんなに
  5.ジェンダー平等を
 ☆6.安全な水とトイレを世界中に
 ☆7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  8.働きがいも経済成長も
 ☆9.産業と技術革新の基盤をつくる
 10.人や国の不平等をなくす
☆11.住み続けられる町づくりを
☆12.作る責任 使う責任
−1−
 13.気候変動に具体的な対策を
 14.海の豊かさを守る
 15.陸の豊かさも守ろう
 16.平和と公正をすべての人に
 17.パートナーシップで目標を達成しよう

◎ 研究テーマを考える
 17目標の中で、我々として研究テーマになり得ると考えられるものには、☆印を付した。(但 栗坂の独断)
 研究テーマを考えるにあたり、デザインマネージメントの見地からは次のようなことを考える必要がある。
1.デザインを活用できる可能性があるか?
2.基本概念、または関連する製品の価値を上げられるか?
3.研究に企業などの参画が見込めるか?(企業が参画する場合会員のデザイン力、ノウハウを提供し活用出来るものとする。それにより、会員、デザインマネージメント協会の利益を確保する。)

◎ まとめ
上記におけるソーシャルデザイン思考は企業、デザインマネージメント協会、同会員の3者がそれぞれ果実を得られるようにと考えたものである。

2020年5月12日
栗坂 秀夫

社会


今回の新型コロナウィルスの問題は単に新たなウィルスの脅威ばかりなく、世界規模での影響がこれほどまでに大きくなることは予想できなかった。まさにグローバル化によるウィルスの世界拡散である。ウィルスの感染規模の拡大は中国、韓国、アメリカ、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン・・・・日本と続く。アジア、EU、アメリカの相互依存は高く、人も含めた物流の往来は活発で、それはウィルスの拡散状況と一致している。

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ビジネス


COVID-19の世界拡散によって、経済の停滞とダメージはリーマン・ショックを上回るレベルという。その中で注目するのはグローバル・サプライチェーンという言葉である。COVID-19の震源地でもある武漢にはアメリカ、日本、韓国の自動車産業やアップルなどのIT産業の生産工場が林立している。新型コロナウィルスによって生産と輸出入がストップしてしまい、ビジネス環境はかなり悪化している。そこでグローバル・サプライチェーンをドメスティック(自国内)に内製化してもよいのでは、という考え方も生まれてくる。

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技術


現代は第4次産業革命と称される。5GとAIなどの先端技術は大きな可能性を秘めている。グローバル・サプライチェーンからドメスティック・サプライチェーンに移行するメリット、デメリットは幾つかある。まずメリットとしては今回のようなウィルスによるパンデミックや紛争、戦争などの負の外的要因からの回避がである。二つ目にコスト的な優位性によってグローバル・サプライチェーンが成り立つが、5GやAIなどの先端技術を今後の製品開発には欠かすことのできない要素技術になる。それはある意味で製品に新たな価値を付与することなので自国内で内製化してもコスト的に優位に立てるという見方である。

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デザイン


デザインの概念が広がり、デザインに対する見方も単にスタイリングや造形上の問題、使い易さなど、製品個別の問題ではなくなってきていることは共通に持つ認識だろう。製品開発や事業開発の川上での役割が期待され、現にアップルやダイソン、レクサスの展開を見ればデザインが企業戦略、ブランド価値、さらには企業価値まで関わる重要な経営資源と言える。一方、デザインは人間に寄り添い、人間や社会の問題、課題を解決する役割を担っている。実はアップルやダイソン、レクサスはデザインの本質的な課題と企業戦略やブランド価値を調和させているところがエクセレントと言えるだろう。これからのデザインのムーブメントはより社会的な問題、課題をいかに解決していくのかに向かっていくだろう。これは今回のCOVID-19のパンデミックがグローバル社会、都市、企業、個人の脆弱さを露わにしたことからも予見できるだろう。そのような意味で、企業や地域(リージョン)、個人の様々なフェーズでのデザイン活動が意味を持ち、重要となってくるだろう。

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教育


ソーシャルデザインにおいて果たさなければならない教育とは何か?ひとつは社会に日々生起する問題や課題を自分のものとして受容する力であろう。例えば、今回のCOVID-19のようにウィルスへの対応は国家レベルであり国際的レベルでもある。しかし、つまるところ個人に帰着し、個人の意識と振るまいが、感染を高めたり低めたりするのである。私たち人間は都市という人工的な環境において万能であるが、そこから少し外れてしまうと、何をどのようにしてよいのか皆目見当がつかなくなってしまうのである。スマートフォンがなければ、自分の行動が見えなくなってしまうのである。つまりイマジネーションの欠如、創造性の欠如が予期せぬ災害に対して致命的と言えるだろう。

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世界を揺るがす新型コロナウィルスは世界の政治、経済、産業、生活にかつてないダメージを与えつつあります。同時にパラダイムシフトも進行しています。この状況をどのように捉えればよいのか、皆様の体験や視点、そしてコロナウィルス後のあり方など投稿していただければ幸いです

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